西村 憲一
Nishimura Kenichi
代表取締役
西村 憲一
Nishimura Kenichi 一級建築士 大臣登録 第324109号
座右の銘「これからが これまでを 決める」
プランに時間がかかるとよく言われる。
建築士という職能に徹し、提示された問題を素直に解決するだけなら、
仕事としては簡潔ですぐにでも図面は出せる。
だが、繰り返し線を引き、迷う。
理由は、他人の内側に入り込むから。
この場所で、この人は何を感じ、何を思うのか? この場所で、どう心が動くのか?
いや心を動かすだけなら、トリッキーなことをすればいいけれど。
そういうのは、私たちの役割ではない。
オレたちの建築は基本的に、控えめでいい。
日常の楽しい時や、商売がうまくいっている時、
ただ静かに、機能を発揮しつつ、最適な動線と性能を提供すれば十分だ。
けれど、目指す建築には、もう一つの顔がいる。
レコードで言えば、B面。 不測の事態に発動するシャドープラン。
人に会いたくない時に出てくる隠れた建具。
傷ついた時、ふさぎこんだ時、視線を遮りながらも風を感じる小窓。
自分を忘れている時に、誰かとのつながりを感じる装飾。
人の一生の表も裏も、受け入れてこそ本当の建築だと思う。
そのために、プランニングにそっと仕込んでおく。
心が傾いた時や不感症になってしまっている時、
一陣の風や、差し込む光、ちょっとした景色が、どれほどの救いになるか。
そうした受け入れてもらえる居場所が、人生をどれほど豊かにし、支えになるか。
建築のそういう力を知ってしまうと、簡単には図面を出せなくなってしまった。
だから、線を引き続ける。ギリギリまで変更を重ねる。
施主からもういいよと言われても、プランを考え続ける。
このやり方は、いまのところ変えられそうもない。
ジオプラス = プランニングに取り憑かれた設計事務所
<略 歴>
山口県宇部市出身
1998年 | 法政大学工学部建築学科卒業 |
2000年 | 法政大学工学研究科建設工学課程修了 茶谷正洋教授に建築を生業とする者の生き様を学ぶ |
2000年 | 柳澤孝彦+TAK建築研究所 勤務 柳澤孝彦代表に建築家のものづくりに掛ける執念を学ぶ |
2005年 | 同上 退職 |
2006年 | 一級建築士事務所ジオプラス 設立 |
2013年 | 株式会社一級建築士事務所ジオプラス 設立 |
2018年 | 事務所を神楽坂に移す |