線を引き、線を消す。
夜が明ける 青から赤っていうけれど
ブラインド越しでわからない
今日もなの?って聞かないで
消しカスだらけの机にシャーペン
ねぼけた眼で
まとまらないプランを見つめ
狂ったように
ただ 線を引き 線を消す
リビングは テレビを見る部屋なのか
キッチンは 料理を作るだけだろうか
浴室は 体をキレイにする場所じゃない
寝室は 眠るだけの場所ではなくて
階段も 単なる移動空間じゃない
家は あたたかいものだけど
あたたかいだけじゃもの足りない
線を引き 線を消す
さあ 世界を広げよう
柔らかい肌に 柔らかな光を
ステキな目に 清らかな景色を
ちいさな耳には お湯を沸かす音色かな
ながれる髪には 香りを写す風をあてよう
線を引き 線を消す
いつもの1日について話す口元
シチューをのぞき込む背中
湯けむり混じりの楽しげな鼻歌
ちいさな吐息の横ではスマホの画面
かわいい足音が奏でるリズム
きみはたくさんの笑顔をくれるけど
涙こらえ夕日をみつめることもあるだろう
線を引き 線を消す
建築は 生活を写すスクリーン
いい時もしんどい時も
どんな時でも帰れる場所でありたい
幸せも不幸もまとめて面倒見てやると呟きながらプランと闘う
あれ?そもそも、オレは幸せの意味を知っていただろうか
その線は 未来のあなたへの
捧げもの
だから今夜もプランニング狂と化す
線を引き 線を消す